TAKTとは

AIエージェントの役割と、仕事の進め方を組み立てる。

TAKT(タクト)は、AIによる計画・実装・レビュー・修正を、繰り返し使える手順として定義し、実行するオープンソースのツールです。Claude CodeやCodexなどのAIコーディングエージェントを、役割と判断条件を持つワークフローの中で動かします。

開発者は成瀬允宣氏(nrs / nrslib)。MITライセンスで公開されており、IDEO PLUS代表の加藤潤一(j5ik2o)も開発に貢献しています。

AIに繰り返し伝えていた進め方を、手順として残す。

AIに実装を頼んだあと、「次はレビューして」「指摘を直して」「もう一度確かめて」と、その都度指示を出す。TAKTは、こうした作業の順序と、次に進む条件をあらかじめ定義するためのツールです。

実装担当とレビュー担当の役割を分け、指摘があれば修正へ戻す流れを設定します。人の判断が必要な箇所も手順に含め、毎回同じ進め方を説明する負担を減らすことを目指します。

開発の背景:成瀬氏によるTAKTの紹介記事

役割を分け、結果に応じて次の作業を決める。

作業の流れは、設定用のテキスト形式であるYAMLで定義します。各工程に担当するAIの役割、渡す情報、作業の結果に応じた進み先を指定します。

  1. 01計画する

    依頼内容と既存のコードを確認し、取り組む範囲を整理する。

  2. 02実装する

    計画と規約をもとに、コードやテストを変更する。

  3. 03レビューする

    別の役割から成果物を確認し、指摘事項をまとめる。

  4. 04次の作業を決める

    定義した条件に従い、修正・完了・人への確認へ進む。

指摘あり → 修正して再レビュー

完了条件を満たす → 結果を確認

判断が必要 → 人に確認

この流れは一例です。工程、進む条件、繰り返しの上限などを、対象の作業に合わせて定義します。

複数の観点でレビューを並列に行う構成や、別のワークフローを呼び出す構成も扱えます。エージェントの数を増やすことに加え、誰に何を任せ、どの結果をもって次へ進むかを決めることが設計のポイントです。

公式のワークフローガイド →

役割・規約・知識を分けて、必要な指示を組み立てる。

同じコーディング規約を複数の作業で使い、業務の資料は必要な担当だけに渡す。TAKTでは、AIへの指示を目的別の部品に分け、工程ごとに組み合わせます。この考え方を「Faceted Prompting」と呼びます。

AIに渡す情報を、5つの役割に分ける
指示の部品何を記述するか
立場・専門性Persona実装担当、設計レビュー担当など、どの立場で考えるか。
守るルールPolicyコーディング規約や、レビューで確認する品質基準。
今回の作業Instructionこの工程で何を行うか。その作業の目標や手順。
参照する知識Knowledge業務のルール、システムの構成、APIの仕様など。
成果物の形式Output Contractレビュー結果や作業報告を、どの形式で残すか。

規約やレビュー基準を独立したファイルとして管理できるため、複数のワークフローで共有できます。チームの知識を、次の作業でも使える形に整える仕組みです。

公式のFaceted Prompting解説 →

作業を分離し、実行後の記録から見直す。

作業する場所を分ける

キューに積んだタスクは、Gitの作業用コピーであるworktreeを使って分離して実行します。変更の差分を確認し、取り込むか、修正を続けるかを判断できます。

実行の様子を確かめる

作業結果やログを確認し、どの工程で問題が起きたかを調べられます。必要に応じて観測機能を有効にすると、処理の時間やトークン使用量なども調べられます。

実行方法の説明 / 実行状況の記録・分析

繰り返し使えるのは、作業の手順や判断の枠組みです。AIが毎回同じコードを生成する保証ではありません。要件やレビュー基準の設計、テスト、最終的な確認は引き続き必要です。TAKTの設計思想を読む →

小さな作業から、チームの進め方を試す。

  1. takt

    依頼内容を整理する

    対話で行いたいことを伝え、実行するタスクとして積みます。

  2. takt run

    手順に沿って実行する

    選んだワークフローで計画・実装・レビューなどを進めます。

  3. takt list

    結果を確認する

    タスクの結果や差分を確認し、取り込みや再実行を判断します。

事前にTAKTと、利用するAIプロバイダーの設定が必要です。操作や実行環境は更新されるため、導入時は公式READMEのクイックスタートをご確認ください。

開発への貢献と、企業への導入支援。

TAKTは成瀬允宣氏(nrslib)が開発するOSSです。加藤潤一は、j5ik2oとして機能追加や改善に貢献しています。以下は、公開リポジトリでマージを確認できる貢献の例です。

  • 実行時の利用状況を記録し、分析する

    工程ごとの利用イベントの出力と、利用状況を集計するコマンドを追加しました。

    PR #785:利用イベントと分析機能 →
  • 指示の部品を継承して使う

    規約・指示・知識などの部品が、同じ種類の親の内容を継承できる仕組みを追加しました。

    PR #690:facetの継承 →
  • 同時に実行するエージェント数を制御する

    複数の作業を定義したまま、同時に起動するエージェント数を抑えられる機能を追加しました。

    PR #573:並列実行数の制御 →

また、加藤は複数企業でAI-DLC・TAKTを活用したAI駆動開発の導入を支援してきました。開発への貢献と現場での経験を踏まえ、チームの状況に合わせて取り入れ方を考えます。

成瀬氏・加藤によるTAKTの紹介イベント / 代表プロフィール

導入の検討から、実プロジェクトへの定着まで。

現在の開発環境や改善したい作業を伺い、導入方針、チームでの実践、ワークフローの設計・見直しをご支援します。AI-DLC v2・TAKTを含め、使う仕組みが未定の段階からご相談いただけます。

AI駆動開発 導入・改善診断

開発チームを持つ企業向けに、AI駆動開発の品質と安全性を2週間で診断。診断レポートと90日ロードマップを提示し、AI駆動開発 導入・定着支援まで繋げます。

プランの詳細を見る →

AI駆動開発 実践ハンズオン

AI-DLC v2・TAKTを活用し、AI駆動開発をチームで実践する研修。チームが集まるのは2日間と入門60分。事前の準備から実践後の振り返りまで支援します。

プランの詳細を見る →

AI駆動開発 導入・定着支援

AI駆動開発 導入・改善診断の90日ロードマップを、3か月かけて実プロジェクトで実行します。AI-DLC v2・TAKTに対応し、開発の進め方の定着と効果測定まで支援します。

プランの詳細を見る →
AI駆動開発支援の全体を見る →

公式資料と参照情報

2026年9月15日に公式資料と公開された開発履歴を確認して作成しました。

いまの開発で、変えたいことをお聞かせください。

AIの導入を検討している方も、すでに使っていて課題を感じている方も。チームの状況や、支援してほしいことをお聞かせください。

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